くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

退屈

くまのお母さんは仕事を辞めて7か月になろうとしています。

起業の勉強や準備(?)をしてみたり、新しいコミュニティに参加してみたりして、知り合いになった人はずい分増えました。

その一方で、平日の昼間からショッピングセンターに行ったり、カフェに行ったりする生活はどうなんだろうと思います。

今はくまのおじいちゃんとくまのおばあちゃんと暮らしていて、二人とも歳をとりましたが元気な年金生活者なので、くまのお母さんは今までで一番、何にも縛られない自由な時間を手に入れています。

くまのお母さんは何がしたいのかしら?

仕事をして収入を得ないと将来、一人ぼっちになった時に困るんじゃないかという不安もあります。

くまのお母さんが死んだら、その後のことを考えて段取りしておかないといけないのかなとぼんやり思います。

家のことやお墓のことです。

終活っていうんですか。

真面目に考えないといけないなぁ。

きっとくまのお母さんみたいに一人暮らしで頼る人がいない状況になるって、他にもいそうな気がしますが。

今は明日食べるご飯には困らないし、こうやってインターネットも使えます。

無職暮らしにもだいぶ慣れてはきました。

くまのおばあちゃんは歳をとってもご飯の支度ができるので、介護予防を考えてできることはしてもらっていますが、メニューがワンパターンになります。

だから、くまのお母さんは畑の野菜を使っておかずを一品作ったり、手作りおやつを作ったりしています。

もしも、くまのお母さんがお勤めに出るようになれば、そういうことができなくなるなぁとか思います。

週3回働いて、去年と同じくらいの年収があればうれしいんだけどな。

 

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生きていくのがつらい

(今日はくまのお母さんはいません。)

私の大好きな夜廻り猫の漫画のセリフです。

離別母子家庭で育った娘が他県で就職する理由が

「おかあさんといると生きていくのがつらい」

からなのです。

withnews.jp

漫画の作者の深谷かおるさんは、毒親をヒントに漫画を描いたとのことです。

私の息子はおそらく父親がいると生きていくのがつらかったと思います。

私は息子が小学生の頃に「毒になる親」という本を読み、これはまさに息子の父親のことではないかと思いましたが、最後まで息子には言えませんでした。

でも大学生になった息子は自分で「毒になる親」という本を見つけて読んだらしいです。

スマホに本の写真が残っています。

思いを共有できなかったことが残念です。

生きていくのがつらくても生きていく道はあったと思うけれど、そう思うとこの漫画に出てくる母親がうらやましいのです。

だけど私には今しかないわけで。

私は今を生きるしかないのです。

 

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ハローウィン

くまのお母さんが住む田舎の町でも、ハローウィンの飾り付けが目立ちます。

坊やが小さい頃は、ハローウィンのイベントなどは今ほど盛んではなかったので、ハローウィンだから何かすることもありませんでした。

でも、最近はお菓子売り場などは、クリスマスのイベントみたいなノリになっているので、それに便乗しようかなぁとくまのお母さんは思います。

仏壇にお菓子などをお供えすると下げて食べなくちゃいけないので、本当はたくさんお菓子や飲み物や果物をお供えしたいのだけど、食べたらますますくまのお母さんは太る一方だと思うので、普段はあまりお供えしないのです。

毎朝の炊きたてご飯とお水は欠かしません。

ブランド米の美味しい新米を買ったので、それを炊いてますが、白いご飯が好きな坊やに食べさせたかったなぁと思います。

というわけで、ハローウィン用のお菓子を買ってきてお供えしました。

坊やが高校時代に行ってたお気に入りのケーキ屋さんのお菓子です。

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何か良くないことが起きた時

(今日はくまのお母さんはいません。)

心屋さんのブログを読んで、楽になると思った考え方を見つけました。

手を替え品を替え、心屋さんは何度も同じことをブログに書いてきたと思いますが。

目に止まった時が気づく時。

ameblo.jp

          いいことしてても
   罪がなくても
悪いことは
起こるのよ

これはきっと罪悪感を手放すようにするための考え方なのだろうと思います。

じゃあ、そこからどうしたらいいの?ってことなんですが。

原因と結果という考え方を手放すことが大事ということなのでしょうかね。

 

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三回忌

今年は坊やの三回忌です。

一周忌と同じように進めていいのかなぁと、くまのお母さんは考えます。

四十九日の時は、坊やの大学の恩師の先生やバイト先の上司の方が出席したので、葬儀屋さんにお世話になり、お食事までお出ししました。

一周忌は家族のみの法要にしたので、お供え物やお花の手配も自分でしなければならず、負担に思いました。

まずはお寺に連絡して日程確保しないといけないので、くまのお父さんの都合も聞いてからお寺に連絡をしました。

一周忌は去年でしたから、くまのお母さんはフルタイムの仕事をして忙しかったのです。

そんな中で、がんばったなぁと思ってます。

お墓を建てたり納骨したり、忙しい中、がんばったなぁと思います。

今年はフリーターみたいな感じなので、時間はあるんです。

だから、ちょっとは楽かなと思います。

次の年回帰法要は七回忌で2021年になります。

あと4年後、東京オリンピックの翌年。

そういう風に覚えないと、くまのお母さんは覚えられません。

4年後か…

くまのお母さんはどうしているかしら。

くまのおじいちゃんもくまのおばあちゃんもみんな元気でいてほしいなと思います。

 

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whyではなくてhow

(今日はくまのお母さんはいません。)

コロンバイン高校銃乱射事件の加害者の母による手記があるそうです。

息子がどのようにして育ってきたのか、自分は親としてどのように向き合ってきたのかを、幼少期から事件直前のやりとりに至るまで、細かな描写とともに振り返る内容です。

この本の著者は加害者のうちの1人の母ですが、当の加害者本人は自死してしまいます。

本人の日記には「寂しさや憂うつや思い悩む気持ちと、愛を見つけることへの執着」ばかりが書かれていたそうです。

これは息子と共通するところだなと思いました。

「親なら子の気持ちがわかるはず」というほど、現実は単純ではなかったということですが、なぜ?を繰り返しても多分、答えは見つからない気がします。

「これからどうしよう」ということが大事かと思いますが、現実に向き合い続け、悲嘆にくれながら、それでも生きていこうとやっぱり私は思うのです。

 

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パラレルワールド

(今日はくまのお母さんはいません。)

「魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く」という本があります。

東日本大震災失くした家族の「姿を見た」「声を聞いた」「メールが届いた」といった、不思議な体験談をまとめたものです。

私は読んだことはありませんが、ネットでこの本について検索すると、なるほど、そうした現象がパラレルワールドなのかなと思ったのです。

亡くなった人と物語(ナラティブ)を紡ぎながら遺された私たちは生きていくのだと思います。

私が「くまのお母さん」になって、ブログでナラティブを語ろうと思ったきっかけもそこにあるのです。

自死遺族として生きるための術が物語を紡ぐことであり、それは亡くなった人との対話であるかもしれません。

亡くなった大切な人に会いたい時は、その人との物語を紡ぐ場所があればいいなと思います。

そんなカフェをやっぱり作ってみたい。

くまのお母さんのカフェです。

そして、物語は語り手が生きている限り、何度でも紡ぎ直すことができるのです。

 

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