くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

約束

くまのお母さんの友だちが、なぐさめてくれます。 電話をくれたり手紙をくれたり、お線香を上げにきてくれたり。 食事や飲みに誘ってくれたり、遠くから会いに来ると言ってくれたり。 坊やが亡くなったから、みんなそうして気遣ってくれるのだと思います。 …

偲ぶ会

くまのお母さんは坊やの大学のお友だちが偲ぶ会を開いてくれるというので、都会に行ってきました。 葬儀に来てくれた子たちはもちろん、葬儀に来られなかった子も集まってくれました。 大学の先生も来てくれました。 坊やの楽しかった思い出を語るゆるい会で…

やさしくて周りに気遣うこと

くまのお母さんの会社のうさぎの若手社員さんからメールが届きました。 体調が悪くて眠れないので相談したいとのことです。 くまのお母さんは会社で健康について相談を受けることがお仕事です。 うさぎの若手社員さんは人当たりがよくて周りの人が不快になら…

書類

坊やが亡くなったことに伴ういろいろな手続きがまだ終わりません。 期限のないものが手つかずになってしまいます。 書類を出すってことは、坊やが亡くなった現実に向き合わなければいけません。 それをくまのお母さんは、ぱっぱと終わらせることが出来ないの…

坊やが好きだった本より

詩「きみはかわいい」(作:最果タヒ) みんな知らないと思うけれど、なんかある程度高いビルには、屋上に常時ついている赤いランプがあるのね。それは、すべてのひとが残業を終えた時間になっても灯り続けていて、たくさんのビルがどこまでも立ち並ぶ東京で…

もうご飯が食べられない

このツイートを見て、くまのお母さんは泣きそうになりました。 お晩方です また 月が太りはじめていますな2016.1/14.の夜廻り猫 #今日の夜廻り猫 pic.twitter.com/OBKIfO5Rl6— 深谷かほる (@fukaya91) 2016, 1月 14 坊やは、もう、くまのお母さんの作ったご…

偲ぶ会

坊やの大学のお友だちが坊やを偲ぶ会を開いてくれるそうです。 くまのお母さんも招待してくれました。 くまのお母さんはうれしく思いました。 坊やのお葬式には遠いのにも関わらず、大学のお友だちがたくさん来てくれました。 みんな泣きじゃくって坊やが亡…

四十九日

昨日、坊やの四十九日の法要が終わりました。 くまのお母さんは、疲れていました。 お天気がよいことだけが救いです。 坊やがアルバイト先で来ていた服や、お気に入りのショップの布製バッグを洗濯して、アイロンをかけました。 アイロンは坊やが使っていた…

坊やの形見

坊やは手先が器用でした。 小さい頃から細かないろいろなものを作るのが好きでした。 ブロックに折り紙、プラモデルに陶芸、裁縫も上手でした。 坊やが高校時代に作ったペアのマグカップをじじばばが使っているのですが、形見になってしまいました。 カップ…

お葬式

くまのお母さんは、同級生だったあらいぐまの看護師長さんのお葬式に行きました。 病院の看護師さんらしい人たちがたくさん来てました。 看護協会のお偉方の皆様も同級生たちもたくさん来ました。 あらいぐまの看護師長さんは独身で、お母様と二人暮らしでし…

疲れたな

2016年の仕事始めから、くまのお母さんは仕事に行ってます。 先月のように午前中働いただけで疲労感ハンパない感じはなくなりました。 いつも口うるさいチータの保健師さんは、私に気を遣っているのか、ほかの事情があるのか、仕事の指示すらしてきません。 …

みんな死んでしまう

くまのお母さんの同級生の訃報が伝えられました。 県立病院のあらいぐまの看護師長さんです。 とても優秀でやさしい看護師さんでした。 くまのお母さんの同級生たちはもう両手で足りないくらい亡くなっています。 同級生の葬儀に何度足を運んだことでしょう…

There Is A Light That Never Goes Out

連れて行ってよ音楽があってたくさん人がいるとこにそこではみんなが若くて生き生きしてるその車に一緒に乗ってる時は家になんか帰りたくないだってもう帰るところなんてないんだから 今晩誘ってよみんなに会って本当の人生ってものを知りたいから車に一緒に…

コップのフチ子

リアルな写真をアップロードすると、くまのお母さんのナラティブとは違うような気がするのですが… 息子が亡くなるまでコップのフチ子が実家の息子の部屋にあったことに気がつきませんでした。 都会のアパートにはなかったような気がします。 息子は、 「実家…

TO DO リスト

くまのお母さんにとって、めでたくない新年です。 いつも帰省していた坊やがいません。 去年の正月は、喫茶店巡りが好きになったという坊やを、街のおしゃれな喫茶店へ連れて行きました。 都会でも喫茶店巡りをしていたみたいですが、晩年のそれは、空しいだ…

二十歳の原点

(くまのお母さんの物語はお休みです。) 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」 昭和44年に京都で鉄道自殺をした女子大生の高野悦子さんの手記をまとめた「20歳の原点」を学生時代に読んでいました。 私は学生運動があった時代…