くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

2016-01-01から1年間の記事一覧

亡くなった息子が帰って来るという話

(今日はくまのお母さんはいません。) あるイラストレーターの体験した心霊話の漫画が好きで、よく見ています。 石橋式 彼岸の隣人交流記|大石橋.jp|note 第52話を読んで泣けてきました。 赤ちゃんの頃に病死した息子が、15年後に盆と正月になると家に帰…

坊やがいない2度目の冬

クリスマスが終わると、あっという間に年末の慌ただしさにまみれる気がします。 くまのお母さんの会社は今日から年末休業です。 よく晴れた空に冷たい風が吹く師走です。 坊やのバイト先の部長さんが都会からお墓参りに来たいと仰ってくださって、クリスマス…

クリスマスケーキ

今日はクリスマスイブです。 白鳥さんがカフェのクリスマスケーキを配達してくれることになっていたので、くまのお母さんはお茶を飲みながら待っていました。 白鳥さんはくまのお母さんの家に初めて来ました。 仏壇を拝んでくれました。 ずっと気にかけてく…

風邪をひいた

くまのお母さんは風邪をひきました。 冬に風邪引くことはなかったのに。 坊やが亡くなってから、体調不良になることが増えた気もします。 メンタルというより体の方ですね。 くまのお母さんのストレスは体に出ることが多いと思うんです。 今の職場もストレス…

遺品

1周忌が過ぎて、しばらくぶりに坊やの遺品を詰めた段ボール箱を開けてみました。 ほとんどが坊やの衣類です。 大学生になって、なぜかおしゃれのセンスに磨きがかかった坊やは、びっくりするような高い服ばかり欲しがりました。 くまのお母さんはおしゃれに…

みんなどうしていますか

くまのお母さんは、とあるデータを見る機会がありました。 坊やと同じ年頃の人たちがこれだけ自死で亡くなったんだと。 10年の間にこれだけ亡くなったのは多いとか少ないとかいう以前に、誰かにとって大切な人が亡くなった事実が大事だと思います。 2万人で…

この世界の片隅に

こうの史代原作のアニメ映画を観ました。 こうの史代は坊やが好きだった漫画家です。 「この世界の片隅に」は戦時中の広島が舞台です。 なので人が亡くなる映画です。 大切な人が亡くなっても、それでも普通の日々を生きていく姿を描いていると思います。 悲…

6年会わない我が子

SNSで6年ぶりに自分の息子に会ったというお母さんの投稿を見かけました。 遠くで息子さんが働いていて、帰省もしないし、お母さんは1人では息子さんの住む街へ行けないのだそうです。 そして、そのお母さんの妹さんがその街へ行くので、連れて行ってもらっ…

カウンセラー

くまのお母さんの仕事でおつき合いのある臨床心理士さん方も交えた忘年会に参加しました。 くまのお母さんは今の職場で働くようになって、何人もいるカウンセラー(臨床心理士)のどなたかに坊やの話をしようかなと何度も思いました。 坊やは大学でカウンセ…

クリスマスケーキ

今日もSNSのメッセージが届きました。 カフェのオーナーの白鳥さんからでした。 白鳥さんも坊やの命日を気にかけてくれていたようです。 坊やと同い年の息子さんのママです。 白鳥さんのカフェに、マクロビオティックが好きだった坊やをくまのお母さんは連れ…

命日

坊やの命日を敢えて普通に過ごしたくまのお母さんです。 仕事は相変わらず忙しい。 残業するかもしれないと思ったから、前の日に坊やの好きなものを仏壇にお供えして夕ごはんにいただきました。 SNSで仲良くなった人がくまのお母さんにメッセージをくれまし…

御朱印帳

坊やの1周忌をした翌日、坊やの大学の先輩たちがお墓参りに来てくれました。 お家にお連れして仏壇で拝んでもらえばよいのですが、体格の良い大人が何人もくつろげるスペースがないので、お墓参りだけしていただきました。 坊やは都会のスマートな一人暮ら…

1周忌

坊やの1周忌を済ませました。 何をしたわけじゃないけれど、くまのお母さんはとっても疲れました。 くまのお母さんは初めてのことに弱いのかなと思いました。 意味のない気疲れが半端なかったのです。 それに、くまのお父さんが都会から来るので、駅に迎え…

これからどうしよう

忙しくするのは現実に向き合っているようで向き合っていないかもしれないと、くまのお母さんは思います。 つらい時間をやり過ごすために忙しくしていると、いつまでも引きずるのかなぁと思います。 くまのおじいちゃんとくまのおばあちゃんに心配かけたくな…

The Reason why i thought i'd die 僕が死のうと思ったのは

坊やが1年前にたぶん聴いていた曲。 Amazarashiが好きだったみたい。 くまのお母さんは坊やのことを何もわからなかった。 親だから子どものことが何でもわかるはずないけど。 坊やが生きていたら知らなかったことがたくさんある。 言葉が足りなかったな。 …

リベンジ

坊やの大学の先輩からくまのお母さんに連絡がありました。 休みが取れたから坊やのお墓参りに来たいと。 前に計画していた日は台風10号が来た日と重なってしまっていたので… 坊やの先輩からくまのお母さんのスマホに連絡が来た時、丁度、くまのお母さんは仏…

お墓参り

11月。 くまのお母さんが住んでいるのは太平洋側なので、冬は晴れることが多いです。 今年の冬の始まりは、この地方とは思えないような曇天ばかりが続きます。 やっぱりお日様の光を浴びないとメンタルの調子が良くないなと思ってしまいます。 今日は朝の霧…

自傷行為

くまのお母さんは自傷行為をします。 最近まで自分がしていることが自傷行為だと知りませんでした。 (あ、リストカットはしたことないです。) 何をするかというと、爪やささくれを剥くことです。 これは小学生の頃からしていました。 今はしませんが髪の毛…

1年前②

くまのおじいちゃんの手術の日、坊やがくまのお母さんに電話をかけてきました。 電車の中で倒れて救急車で大学病院に搬送されたというのでした。 パニック発作のようだったので、おさまれば大丈夫でしょうとくまのお母さんは思いました。 坊やはとてもつらか…

離婚

くまのお母さんはくまのお父さんと離婚しましたが、離婚したと坊やにきちんと言いませんでした。 今までの状況から賢い坊やはわかるでしょうと思っていました。 現実と向き合うことがくまのお母さんにはどうも苦手なのです。 坊やの自己肯定感の低さはくまの…

回想

坊やがメンタル不調を訴えるようになったのは、大学3年の夏でした。 そもそも大学進学で都会に引越してからの坊やは、風邪を引きやすくなり、水ぼうそうに罹り、口内炎にも悩まされ、インフルエンザにも罹っていました。 くまのお母さんと一緒に暮らしていた…

1年前

1年前。 くまのおじいちゃんが手術をすることになり、くまのお母さんは準備をしたり病院へ行ったりいろいろ心配をしたりしていました。 坊やは就職が決まらずにいました。 仲のよい友だちや同級生は大手企業への就職を決めている子が多くて、坊やは焦ったり…

何がしたいのか

くまのお母さんは、ここ3日間ほど県外出張や講座や勉強会でお出かけばかりでくたびれてます。 それでもいいお話聞けたのでよかったと思います。 最近、いじめに因る自死遺族の方々が実名でマスコミに出ているのを見かけます。 本当に悔しいだろうなと思いま…

因果関係はありません

(今日はくまのお母さんはいません。) 「ママライターの実例!この冬【インフルエンザ】にかからずに済んだママが実践していた3つの習慣」 というネットの記事を読みました。 インフルエンザ予防接種を受けずにインフルエンザ対策をして、夫と息子はインフ…

田中幸子さん

(今日はくまのお母さんはいません。) 全国自死遺族連絡会世話人の田中幸子さんの講演があるそうで、ぜひ行きたいと思っています。 でも会場がちょっと遠いなぁ。 午前中にカーブスでワークアウトして1時間半かけて移動して、ランチタイムの時間も考えると…

望郷じょんから

くまのお母さんは、ふとしたことで昔流行った演歌の動画を視聴しました。 坊やも冬が間近な都会の夜空を見上げて、こころが寒かったのかもしれません。 もうすぐ坊やが亡くなって1年になろうとしています。 普段は生活に追われることで涙に暮れることもない…

自死はいけないと思う、ということについて

地元のお役所が発行している自殺予防のニュースレターがあるのですが、くまのお母さんは仕事でそのニュースレターを取り扱うことになりました。 はい、お仕事ですから。 お仕事しますよ。 プライベートとは別ですから。 自死により多くの人が悲しみ苦しむか…

それでも生きていく

5年前の津波の被災地を助けてくれたお医者様の中に、JR福知山線脱線事故のときに救命医療に携わっていた先生がいました。 くまのお母さんとは仕事で少しの間、おつき合いがありました。 ネットである記事を読んで、この先生は福知山線脱線事故で一緒に活動…

花束は

宇多田ヒカルの曲「桜流し」はニューアルバム「Fantôme」に収録されています。 くまのお母さんは「桜流し」という曲を知りませんでした。 映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の主題歌とのことですが、歌詞を読むと東日本大震災で犠牲になった人々へ捧げる…

寄り添う

電通新入社員の自死について。 電話でお母さんが「死んではだめよ」と話しかけたが、その数時間後に命を絶ったと報道されています。 死んではダメというのは、相手を否定しているということなのかしらとくまのお母さんは思います。 それで思いとどまるのなら…