くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

くまのお父さんの墓参り

昨日は秋分の日で彼岸の中日でしたが、くまのお父さんから坊やの墓参りに行ってきたというメールがくまのお母さんに届きました。

坊やのお墓をくまのお母さんの田舎に建てたので、くまのお父さんは

「墓参りに行きたい時に勝手にくるから。」

とくまのお母さんに言いました。

離婚しているし、くまのお父さんに会わずに済むならそれが楽なので、どうぞご自由にという感じで言いました。

今年のお盆の時期は、くまのお父さんが墓参りに来た気配はありませんでした。

都会から田舎に新幹線でくるのですから、そうそう何度も来られないでしょう。

そして、お墓に坊やとくまのお父さんが好きなロックバンドのアルバムのなんとかのコピーを供えてきたとメールに書いてありました。

くまのお父さんはいつもピンと来ないことをするとくまのお母さんは思っています。

くまのお母さんはそのお供えを回収しにお墓に出かけました。

香炉の扉の中にあるとばかり思っていたのですが、花立の石の下に挟み込んでありました…

ハァ?

くまのお母さんは、呆れました。

花立の石の重さはどれだけあるのでしょう。

20キロくらいでしょうか。

くまのお父さんはチビですが力自慢なので、風に飛ばされないようにと考えたかもしれませんが、この石をどかしてくまのお父さんのお供えものを取り出すのは、くまのお母さんでも一仕事でした。

くまのお父さんなりの供養の仕方なのでしょうから、仕方ないですかね。

くまのお父さんが好んで聴いたロックバンドの曲を坊やもよく聴いたので、くまのお父さんは喜んでいたと思います。

それでも坊やを傷つけるようなことばかりしていたのも事実だと思うくまのお母さんです。

 

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