くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

ひとりの墓参り

くまのお母さんは、初めてひとりで坊やの墓参りに行きました。

命日なのでね。

いつも坊やの先輩が都会から来てくれて、一緒に墓参りしていたし、彼岸やお盆はくまのおじいちゃんやくまのおばあちゃんと一緒に墓参りに行くから、ひとりで行ったことがなかったのでした。

今年はコロナ禍で、坊やの先輩もくまのお父さんも坊やの墓参りには来ないようです。

くまのお父さんは、命日にはいつも坊やの墓参りに来るようで、お墓にCDジャケットのコピーとか写真とかを置いていくのですが、今年は郵便物が届きました。

くまのお父さんは手紙やメモなど書きません。

CDジャケットのフィギュアとコピーが入ってました。

いつも墓参りに来ていたけれど今年は来ないからそれを供えてほしいということなのでしょう。

めんどくさいなとくまのお母さんは思いますが、くまのお父さんの気持ちと思って、坊やの仏壇にお供えしました。

坊やのお墓は、住宅街の一角にあります。

くまのお母さんの家から車で10分くらいでつきます。

広くてバリアフリーで管理が行き届いているので、もっと気軽に行ってもいいのですが、仏壇で手を合わせるのとお墓で手を合わせるのとそんなに違うかなとか思ってみたり。

いつでもどこでも坊やを思っていることには変わりないので、くまのお母さんはあまり気にしない感じです。

そして来年は7回忌です。

コロナもどうなってるかわからないし、うん、卒塔婆は立てていただいた方がいいのかなぁ。

正直、気持ちだけでいいよねって考えてしまう、くまのお母さんなのでした。

 

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