くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

死にたくなったのは薬のせい?

くまのお母さんは仕事絡みで、ある専門書を読んでいましたら、メンタルクリニックに通院して服薬していた息子が自殺をしたのはクリニックの院長のせいだと言って母親と叔父がクリニックに怒鳴り込んできたという話を目にしました。

院長は患者とよく話をして慎重に投薬していたということでした。

それでもSSRIの薬は若者には衝動性の副作用が強く出る恐れがあるらしく。

うーん、精神科領域の薬は難しいとくまのお母さんは思いました。

怒鳴り込んできた母親は、息子が中学時代に離婚したのでそのことが自死に影響していたのだろうという思いをクリニックの院長に話すことで、院長を訴えるとかいう行動には出なかったのだそうです。

受診のきっかけは職場関係のことで適応障害だったそうです。

なんだか、坊やに似ているかもしれないとくまのお母さんは思いました。

くまのお父さんは、坊やが亡くなってすぐに坊やが通っていたクリニックに行ってみるとか言ってましたが、主治医に会うとかいうことまではしなかったようです。

薬を飲まなければよかったのか。

辛い気持ちはどうすればよかったのか。

坊やだっていろんなところに相談していたんです。

くまのお父さんが一番の原因だとくまのお母さんは思っています。

面会交流なんてしない方がよかったかもしれません。

せめて大嫌いなくまのお父さんの思い出が増えないでほしかったと思うくまのお母さんです。

 

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くまのお父さん

今年も坊やの大学の先輩がお墓参りに来てくれました。

去年もだったと思うけれど、坊やの祥月命日あたりにくまのお父さんがお墓参りに来ているのです。

坊やの先輩とお墓に行くと、今年もくまのお父さんが来た形跡がありました。

坊やはくまのお父さんが好きな音楽をよく聴いていたので、くまのお父さんはCDジャケットのコピーをお墓に供えていくのです。

濡れないように袋に入れて日付だけ書き込んでいます。

去年は坊やの先輩がお墓参りに来てくれたのが少し遅かったので、くまのお父さんのお墓参りはしばらくわかりませんでしたが、今年は坊やのお父さんが来た日と一緒でした。

これは…

危うくお墓で鉢合わせするところだったのですね。

坊やの先輩は坊やがくまのお父さんと関係が悪いことを知っていたので、「あのお父さん」というイメージでした。

くまのお母さんが坊やの先輩を駅に迎えに行く時、遅くなったり駐車場が満車で時間がかかったりしていました。

もしかしたら坊やの先輩とくまのお父さんは同じ新幹線に乗っていたかもしれません。

お墓で会うより駅で会う可能性もあったわけで。

坊やがくまのお父さんと会わないようにしてくれたかなと思うことにしようかな。

坊やの先輩は束にしたお線香をお墓に供えましたが

「大盛ラーメンを食えなかったから線香も多かったかな。」

と言いましたので、面白いなとくまのお母さんは思いました。

坊やの思い出の輪郭は薄れていくのかもしれませんが、忘れないでいてくれることがありがたいです。

 

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4年

坊やが亡くなって、もうすぐ4年になる。

時の流れは誰にでも平等で、意味づけをするのは人それぞれ。

くまのお母さんは4年分、歳をとりました。

坊やはまだ大学生のままですか。

坊やの大学の同級生が結婚したそうです。

2人目かな。

離婚したくまのお母さんからすれば、結婚は決してゴールではなくて、やっぱり先のことはわからないわけで。

いい意味でも悪い意味でも、こんなはずじゃなかったことって、結構あると思います。

幸せってなんでしょうね。

来年は仕事を少しセーブして、坊やが過ごした街、訪れた街をさまよってみたいと思います。

現実は仕事をセーブすると収入が減るのが心配。

でも今できることっていうのもあるだろう。

そういうことですね。

 

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子ども時代の逆境的体験

くまのお母さんは、児童相談所の職員による講義を聴いてきました。

そこで「子ども時代の逆境的体験」という言葉を知りました。

虐待や養育不良など幼少期の逆境的体験が、社会的、感情的、認知的な機能に影響を及ぼし、様々な身体・精神疾患や逸脱行為や飛行・犯罪などの社会的問題を引き起こし、ひいては早期の死を迎える可能性を高くする。

うーん。

坊やも当てはまるのではないだろうか。

くまのお母さんは、坊やが亡くなった理由に当てはまりそうな事象を見つけたら、それを坊やの物語に変換して紡いでいるような気がしています。

坊やを育てていて「死ぬかもしれない」と心配したことはほとんどなかったです。

ただ、くまのお父さんの暴言、暴力がひどくなった頃、まだ小学3年の坊やが死につながることを呟いていたことは聞き逃せないと思ったこともあって、くまのお母さんは児童相談所へ坊やを連れて相談に行っていたのでした。

そして、子ども時代の辛い体験により傷ついた脳は、その後の適切な関わりにより影響を減らすのだそうです。

うーん。

くまのお母さんは離婚して坊やを守ってきたと思ってきたけれど、坊やにとってどうだったのか、くまのお母さんの関わりだけでは足りないほどのダメージだったのかもしれないし、くまのお母さんの実家が経済的に豊かでないこともよくなかったのかもしれないし。

いろいろ難しいなと思うくまのお母さんです。

 

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モヤモヤ解消のため

くまのお母さんは、ちょっと仕事がたまり気味になってきています。

余裕を持った働き方をしようと思って今の仕事のスタイルにしているのに、本末転倒。

もやもやを言語化して小分けして優先順位をつけて先の見通しが持てるようにしなくちゃ。

そうすればストレスも軽くなります。

一番の原因は、去年もやった仕事でつまづいていることです。

去年はできたのにと思うと焦ってしまうんですね。

時間があればなんとかなるけれど、実は時間も限られているのです。

それでもなんとかしましょう。

気づいたからよかった。

 

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生き抜いてほしかった

くまのお母さんは、やっぱり坊やに生き抜いてほしかったなぁと思います。

そしてそう思うこと自体、やっぱり誰かと比べてしまっているのかなぁとも思います。

ゲーム仲間が恐山に行ってイタコの口寄せ体験をしてきて、とても満足したらしいので、くまのお母さんも1度は恐山に行ってみたいなぁと思います。

dot.asahi.com

 

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人生でよかったこと

大河ドラマ「いだてん」 を見ていて、中島唱子の台詞で泣きそうになったくまのお母さんです。

坊やは亡くなってしまったけれど、くまのお母さんは坊やのお母さんになれてよかったと思う。

うん、そう思わないと耐えられないのかもしれない。

 

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