くまのお母さんは久しぶりに本屋さんへ行きました。
何となく絵本のコーナーに行くと出版されたばかりの絵本がたくさん積まれていました。
主人公の男の子のおじいちゃんが亡くなったあと、おじいちゃんのノートが見つかりました。
おじいちゃんが死んだらどうなるのか、どうしたいか、死んだあとのことを書き綴ったノートでした。
死にたいと思い詰めている子に死んではダメと言う前に伝えるべきことがあるというのが、作者の持論のようです。
坊やが生きている間に読ませたかったかなぁと、くまのお母さんは思いました。
だけど、坊やが死んでしまいたいと考えていたなんて思いもしませんでしたもの。
坊やにとってつらいことはたくさんあったのは知っていたけれど、死んでしまうとは思いませんでしたもの。
死にたいって思ってたって認めたくなかったんだと思います。くまのお母さんは。
だから、「死んじゃダメ」って言ったことがなかったんです。
そんなこと、お利口な坊やはわかっているはずでしょうと思っていましたから。
くまのお母さんはできることはやったと思っています。
ただ、「死なないでね。坊やが死んだら悲しい。」とは言葉にして伝えることがなかったです。
当たり前じゃないですか。
坊やが死んだら悲しいのは。
坊やは自分が言葉にできない思いがたくさんあったようでした。
くまのお母さんも一緒です。
くまのお母さんも「このあとどうしちゃおうノート」を書いてみようかなと思いました。