くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

卒業

地元の大学の卒業式がありました。

夢も希望もいっぱいの卒業生たちが街を闊歩していきます。

彼ら彼女らには明日はあるんだなぁと思います。

坊やの大学の卒業式はまだまだ先ですが、くまのお母さんは坊やは大学を永遠に卒業できないんだなぁと思うと、現実に向き合うつらさというのを感じます。

 

それでも、大学の卒業アルバムには坊やの顔写真が載るというので、卒業アルバムは注文しました。

卒業できないままだけれど、卒業アルバムに載るんだね。

みんなにも時々、思い出してほしいとくまのお母さんは思います。

 

就職でみんな離ればなれになってしまい、坊やは遠い北国のお墓に眠ります。

そんな春が近い日。

明日は、大きな津波が来た日から5年になります。

坊やは高校生でしたね。

5年後に坊やがいなくなるなんて、思いもしませんでしたのに。

 

 

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