大学生の息子を自死により亡くした私が「くまのお母さん」になって、喪失に適応するための作業として物語を綴ります。
息子が亡くなってから、泣きたいときは「くまのお母さん」の物語を作っています。
「くまのお母さん」は、坊やがある日、夜空へ続く銀河鉄道に片道切符だけで乗ってしまうまで、この世にこんなにつらく悲しいことがあることは頭の中でしか知りませんでした。
坊やが最後に読んでいた本に
「死者は星になる」
というフレーズがありました。
坊やは星になりたいと思ったのかな。
地上はつらいことばかりだったのかな。
坊やを攻撃するものから守って大事に育ててきたと思っていたのだけれど、それでもこんなことってあるんだな。
「くまのお母さん」は夜空の星を見上げて、それでも自分は地べたを這いつくばってでも生きていくと歯を食いしばります。