くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

坊やの誕生日

くまのおじいちゃんが病気で入院していましたので、くまのお母さんは忙しかったのです。

と言っても、くまのおばあちゃんが認知症っぽいのがくまのおじいちゃんの入院後、輪をかけて大変なので、くまのおばあちゃんの見守りで疲れていたくまのお母さんです。

くまのおばあちゃんは病院に行けば認知症って言われそうなのですが、特に大きな問題がなく生活できているので、このままいけばいいなとくまのお母さんは考えます。

くまのおじいちゃんは認知症はありません。

先月、退院してきて、日常生活が送れるようになってます。

くまのおじいちゃんが言いました。

「もうすぐ坊やの誕生日だなぁ。」

坊やが亡くなってから、今まで坊やの誕生日のことをくまのおじいちゃん自ら話したことがあったかなとくまのお母さんは思います。

くまのおじいちゃんの誕生日は、坊やの誕生日の1週間後ですから、坊やの誕生日を覚えているのですが。

(くまのおばあちゃんは坊やの誕生日は忘れています。くまのお母さんの誕生日も忘れています。)

いつも坊やの誕生日にケーキを買ってきていたと思うのですが、今年もくまのお母さんはケーキを買ってきてお供えしました。

 

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坊やが生まれて、くまのお母さんがまだ入院していた頃は、あたり一面銀世界でした。

この冬は雪がほとんど積もってません。

いい天気。

吹く風は肌に冷たいけれど。

もう坊やの歳を数えようという気にもならなくなった、くまのお母さんです。

 

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