くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

3年前

3年前、くまのお母さんは何をしていたか。

自分の職場のことやくまのおじいちゃんの病気のことでいっぱいいっぱいだった。

坊やの不調には長期戦で行った方がいいかなって思っていた。

坊やの就職もやっと決まってよかったねって言った。

坊やが亡くなる2週間前、坊やの不調が気になって坊やのアパートに行く予定にしていた。

だけど、くまのお母さんが不調になって、くまのお母さんは精神科を受診した。

都会に出かける自信がなくなってしまった。

坊やに行けないって言ったら寂しそうに思えた。

くまのお母さんがあの時都会に行ってたら、何かが変わっていただろうか。

あの時、無理やり坊やを田舎に連れて帰って来ればよかっただろうか。

今ならきっとそうしていたと思う。

3年前のくまのお母さんは、そこまではできなかっただろう。

今日は仏壇を掃除した。

新しいお花はまだ届かないなぁ。

千代紙を買ったので折り鶴を折ろう。

坊やは幼い頃、折り紙が好きでいろんなものを作っていた。

一昨年は一周忌、去年は三回忌だったから、しなければならないことがあったけれど、今年は法要の予定もないので、いつも通りの月命日の過ごし方をするつもり。

今年は坊やに親切にしてくれた先輩も来てくれそうな気配はない。

でも、それでいいのだとも思う。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村