くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

くまのお母さんの最悪だった11月 その1

坊やのおじいちゃん、つまり、くまのお母さんの父親は11月のはじめに病気で手術をしました。

おじいちゃんの手術は初めてで、何かあったらどうしようとそれはそれは心配でした。

手術の日、くまのお母さんは病院でおじいちゃんの手術が終わるのを待っていました。

そのとき、携帯が鳴りました。

坊やからの電話でした。

「あのさぁ、じいさんが手術の日に悪いんだけどさぁ。

俺、今日さ救急車で病院に運ばれたんだ。」

くまのお母さんはびっくりしました。

一体どうしたの?今から都会に行くのは難しいし。

電車で倒れたので駅員さんが救急車を呼んだそうです。

大学病院で検査をして異常はなく、2時間くらい寝て回復したので帰ってきたそうです。

坊やは最近、体調が悪くてクリニックに通っていました。

くまのお母さんの仕事は、会社の従業員の健康管理をすることです。

坊やが生まれる前は、小学校の保健の先生をしていました。

職業病でつい、坊やの体調不良にも保健の先生のように接していました。

その方が楽だったんですね。

坊やの体調不良に母親として寄り添うことが出来なかったような気がします。

変に知識や経験があるばかりに。

坊やが亡くなって、専門職なのに何やってたんだと誰かに責められそうな気がしてつらくなりました。

専門職なのに何も出来なかったのかと。

自殺対策って何なのって思います。

少なくとも我が子には結果として効果がなかったということです。

一方で、坊やは10月頃から体調不良がひどくなってきていました。

就活や人間関係や卒論やくまのお父さんとの関係など、いろんなストレスも重なっていたと思います。

ストレスで心筋梗塞になって亡くなるのと、ストレスでメンタル不調になって亡くなるのと構造的には同じだと思います。

 

 

 

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