くまのお母さんの物語

一人息子を亡くした、くまのお母さんの物語(ナラティブ)です。

新年

坊やがいない2度目のお正月が来ました。

くまのお母さんは2年ぶりに初詣に行きました。

去年は坊やの四十九日が終わらないので、家の神棚には半紙を張り、神社にも行きませんでした。

毎年欠かさず初詣に行っていましたが、去年は行けなかったんだなぁ。

坊やが亡くなっても神様に手を合わせるくまのお母さんです。

神様仏様がいるのなら、どうして坊やが亡くなるの?と思ったものですが、それでも神様仏様はいるんだと思うのですね。

坊やは御朱印帳を持っていて、御朱印を集めるのが趣味だったので、神様仏様に手を合わせる生活をしてきたんです。

だからやっぱり神社にお参りすることは続けたいと思うくまのお母さんです。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村

亡くなった息子が帰って来るという話

(今日はくまのお母さんはいません。)

あるイラストレーターの体験した心霊話の漫画が好きで、よく見ています。

石橋式 彼岸の隣人交流記|大石橋.jp|note

第52話を読んで泣けてきました。

赤ちゃんの頃に病死した息子が、15年後に盆と正月になると家に帰って来るという話です。

それもちゃんと成長した姿になって10年ほど続いたそうです。

そんなことがあるんだなぁ。

でもきっといわゆる霊感が強い人だから体験できるのかもしれないなとも思います。

見えなくてもそうやって帰ってきてくれたらうれしいですよね。

 

お正月など嫌いだという自死遺族の方は多いと思いますが、こうして亡き家族が帰省(?)して来ると思えば、楽しみですね。

今日はお正月用のお花を生けて、仏壇の回りをお花でいっぱいにしました。

息子が帰省した時に乗せて走っていた車も洗車しました。

1年前は息子が亡くなったばかりでズタボロの年末年始でしたが、今日は青空が広がっているし、気分が良い年の瀬です。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村

坊やがいない2度目の冬

クリスマスが終わると、あっという間に年末の慌ただしさにまみれる気がします。

くまのお母さんの会社は今日から年末休業です。

よく晴れた空に冷たい風が吹く師走です。

坊やのバイト先の部長さんが都会からお墓参りに来たいと仰ってくださって、クリスマスのお休みの間に来られたらしいです。

1年経つけれど、こうして遠い田舎町に足を運んでくださることがありがたいです。

今日、坊やのお墓に寄ってみましたら、お花が供えてありました。

きっと部長さんでしょう。

ありがたいです。

冬になり気温も低いので仏壇に飾るお花も結構長持ちしています。

お正月が来るので、新しいお花に変えたいなと思うのですが、まだまだ綺麗に咲いています。

お花屋さんでアレンジメントを買って来てお供えしました。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村

クリスマスケーキ

今日はクリスマスイブです。

白鳥さんがカフェのクリスマスケーキを配達してくれることになっていたので、くまのお母さんはお茶を飲みながら待っていました。

白鳥さんはくまのお母さんの家に初めて来ました。

仏壇を拝んでくれました。

ずっと気にかけてくれていたようです。

坊やを連れて白鳥さんのカフェに1度行っただけでしたけれど。

白鳥さんは

「くまのお母さん、生きましょうね。」

と言いました。

「頑張らないで周りに甘えましょうね。」

と言いました。

くまのお母さんは、一人で頑張るタイプなんだよなぁと思いました。

風邪もまだ完全に抜けてないので、白鳥さんのカフェのクリスマスケーキで癒されましょうか。

f:id:mochidukino:20161224163957j:plain

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村

風邪をひいた

くまのお母さんは風邪をひきました。

冬に風邪引くことはなかったのに。

坊やが亡くなってから、体調不良になることが増えた気もします。

メンタルというより体の方ですね。

くまのお母さんのストレスは体に出ることが多いと思うんです。

今の職場もストレスの要因ですがね。

 

坊やが買って飲んでいた葛根湯も全部飲み切っていしまいました。くまのお母さんが。

くまのお母さんは鼻をかみすぎて鼻の周りがカピカピなので、坊やが使っていたチューブ入りのニベアクリームを塗ってます。

2015年の限定デザインイラスト入りです。

こういう幸せそうな家族のイラストを坊やはどんな思いで眺めていたのかしらと思います。

 

くまのお母さんは不幸かしら?と考えます。

平凡な人生でないことだけは確かです。

坊やが亡くなったことは人生最大の不幸ですが、それでも生きていきたいと思います。

しかし、くまのお母さんの将来はおそらく下流老人でしょうから、お金がなくなったらそれまでかなとか考えます。

でも、そういう人生の終わり方はやっぱり嫌だなと思います。

ということは、早く死んで坊やのそばに行きたいと思っていないということなのです。

くまのお母さんは坊やがどんなことを思いどんなことをしたか知りたいです。

そして、くまのお母さんが長生きすることは、それだけ坊やをこの世で覚えているということです。

くまのお母さんが死んだら、毎日坊やを思い出してくれる人がいなくなります。

もしかしたらくまのお母さんは、死んで坊やに会えたら坊やに感謝してほしいのかもしれません。

供養してくれてありがとうって。

まぁ、今のくまのお母さんはそんな風に思っています。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村

遺品

1周忌が過ぎて、しばらくぶりに坊やの遺品を詰めた段ボール箱を開けてみました。

ほとんどが坊やの衣類です。

大学生になって、なぜかおしゃれのセンスに磨きがかかった坊やは、びっくりするような高い服ばかり欲しがりました。

くまのお母さんはおしゃれにあまり興味もなく、そもそも自分に合う服やメイクがわかりません。

それはさて置き、坊やの衣類は古着屋さんで高く売れそうなものを選んで残しました。

でも何だか売りたくないなぁと思いました。

坊やのお気に入りだったのですもの。

坊やは時々、服を古着屋さんに売っていたようでしたけれど。

 

坊やのパソコンはログインパスワードがわからず、見ることが出来ないでいますが、ハードディスクの中身をやっと見たら、坊やが撮った写真がたくさんありました。

旅行に行ったときの写真とか大学の友だちや学祭や部活の写真とか…

くまのお母さんは何だかうれしくなりました。

坊やの楽しかった思い出がたくさん詰まっていたからです。

つらいだけの人生じゃなかったことを大切にしたいです。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村

みんなどうしていますか

くまのお母さんは、とあるデータを見る機会がありました。

坊やと同じ年頃の人たちがこれだけ自死で亡くなったんだと。

10年の間にこれだけ亡くなったのは多いとか少ないとかいう以前に、誰かにとって大切な人が亡くなった事実が大事だと思います。

2万人でも1人でも誰かの大切な人は1人です。

 

くまのお母さんがスーパーで買い物しているときにすれ違う人が自死で我が子を亡くしたお母さんかもしれません。

我が子を大切に育てたでしょう?

将来を楽しみにしていたでしょう?

それなのに、もうお母さんの作ったご飯を食べてくれない。

お母さんとおしゃべりしてくれない。

二度と「お母さん」って呼んでくれない。

 

くまのお母さんのように大学生だった我が子を亡くしたお母さんがこれだけ存在するんだ、姿もお名前もわからないけれど、同じ思いをしたお母さんがいるんだ、みんなどうしているんだろうって思いを馳せます。

会って話したいなぁ。

 

そんなことを考えていたら、先日、坊やのお墓参りに来てくれたうさぎ先輩から坊やの写真と動画が入ったDVDが届きました。

こんなに親切にしてくれて、くまのお母さんはうれしいです。

坊やはどう思っているかしら。

 

でもくまのお母さんが使ってるパソコンはDVDドライブがないのです。

坊やのアパートからDVDドライブ持ってきてたかな。

ウインドウズVistaだと見られるけどデスクトップパソコンのある部屋は寒いんです。

でも見ようっと。

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村